カードローン代位弁済の仕組み・流れ

カードローン

銀行系カードローンは原則保証会社保証付きですが、ではなぜ保証が必要なのでしょうか?
それは代位弁済(略して代弁)という仕組みがあるからです。
カードローンを延滞すると、早く返済して欲しいと電話や文書で連絡(督促と言います)がきます。
督促を無視して返済しなかったり、お金が無くて返済できなくなったりすれば、いくつかの手順を経て保証会社が銀行にカードローン融資金を全額立替えて払います。
これが代位弁済です。
今回はカードローン代位弁済の仕組み、流れについてわかりやすく説明していきます。銀行員として私が現場で実際に対処してきたことですので、そうなって欲しくないという意味でぜひ参考にしてください。

延滞から代位弁済までの流れ

カードローンの延滞から代位弁済までの流れをまとめると次のようになります。

まず返済を求めるために督促の連絡をします。
はじめは電話から次に文書となり、返済を求めるのと同時に、お金を融資した立場から督促をした事実を残すという意味もあります。(代位弁済のプロセス1)

次は代位弁済手続きの準備になります。
延滞の回数(何ヶ月延滞したか?)などは銀行カードローンによって違いますが、基本的には3ヶ月前後の延滞で代位弁済となります。ほかにも自己破産したなど、代位弁済される理由に該当してしまった場合も同じです。このように代位弁済される状態になることを「代弁適状」と言います。
代弁適状になると、銀行は代位弁済手続きの準備にうつります。(代位弁済のプロセス2)

最後に代位弁済が実行され、その後の処理もあります。(代位弁済のプロセス3)
代位弁済は大変なことですが、代位弁済されたあとのほうが、実はもっと大変です。(まとめ)

・代位弁済のプロセス1.督促

冒頭説明のとおり銀行カードローンには保証会社の保証があります。返済されなくても代位弁済(保証会社がカードローン融資金を全額立替えて銀行に払う)があるので銀行は融資が回収不能、つまり取りっぱぐれることが基本的にありません。
ここで重要なのは保証会社と取り決めた督促の義務を果たす、ということです。
通常、電話や文書でおこなう銀行の督促は、必ずしも強く返済を迫るような内容ではありません。なぜなら督促するという最低限の義務を果たせば、保証会社から代位弁済してもらえるからです。
ですから何が何でも融資金を回収しなければいけない、というわけでは無いので、義務として督促をしているだけで、ここが怖いところでもあります。

・督促の手順~電話連絡から文書へ、督促から通知へ

カードローンの督促は、まず電話連絡からというのが基本です。「延滞していますよ、支払ってくださいね」といった程度のお知らせ、といったニュアンスです。
電話連絡が数回あって、それでも返済しないでいると今度は文書が送られてきます。
文書は最初の「督促状」に続いて、このままでは代位弁済になりますよという「代位弁済の予告状」、そして最後は代位弁済が決定しましたという「代位弁済の通知書」と変わっていきます。
代位弁済の通知は、銀行が定めた期日(通常は通知から2週間後)に代位弁済を実行するというものです。本来カードローンには契約期限(通常は1~2年の自動更新)があるのですが、この期限を待たず強制的に取引を終了するので、銀行では「期限の利益を喪失する(期失)」と表現します。
このようにして督促が全て終わると、次はいよいよ代位弁済の手続きにうつります。
ちなみに、代弁通知を受け取ったあとでも、もしも全額返済できるなら代位弁済を回避することは可能です。実際に親御さんから援助を受け、このタイミングで全額返済して代位弁済を回避した人がいました(※ただし「延滞」は異動に登録されます)。

・代位弁済のプロセス2.代位弁済手続きの準備

代位弁済手続きの準備は、具体的にはスケジュールの決定(銀行と保証会社で打ち合わせ)と、代位弁済に向けた事務処理(預金凍結)となります

・スケジュールの決定

打ち合わせと言っても基本的な流れは決まっているので、ものごとは事務的に粛々と進みます。
銀行と保証会社のあいだでは無駄な会話もなく、文字通り事務的な連絡のみです。
銀行系カードローンの場合、保証会社が銀行の子会社、あるいはグループ傘下企業であることが多く、これも事務的にことが進む要因です。

しかし督促を怠った場合や、延滞の金額が多額になってしまうと、代位弁済金(保証会社が立替えてくれるお金のこと)では足りなくなる、つまり取りっぱぐれが生じるケースもあります。
この場合は銀行と保証会社で侃々諤々のやりとりになりますが、ほとんどのケースで保証会社が折れて、予定より多く代位弁済金を振り込むことで解決となります。
銀行はお得意様(親会社の場合もある)なので、最後は保証会社が折れる(負ける)ことで決着させるケースが多いようです。
ただし、明らかに銀行の怠慢やミスが原因の場合は、代位弁済金では不足する金額を銀行が穴埋めするケースもあります。このような取りっぱぐれが発生すると、対応した銀行員にはペナルティーが課せられるときもあります。

・代位弁済に向けた事務処理~預金凍結

代位弁済をするとき、その銀行にある預金は全て強制的に解約され、カードローンの融資金返済に充当されます。これを「預金の相殺」といいます。
相殺するための準備として、代位弁済が決まると即座にその銀行の全口座を凍結します。例えばカードローン返済用の口座は、この時点からまったく使えなくなります。
たまに問題となるのが、こうして凍結された口座が給料受取口座や、自動引き落としの指定口座になっていた場合です。凍結という文字のとおり入金も出金もまったくできなくなります。
入金には給料などの振り込みも含まれます。給料を送金したのに入金されないと、銀行から勤務先に対し、入金されなかった旨の連絡がいきます。
人事担当者はこういうことに慣れているので、預金が凍結されたことから推測されて、代位弁済になることが会社にバレてしまう可能性もあります。
また給料が振り込まれたあとで凍結された場合も出金はできません。この場合は、本人が銀行に依頼をすれば、原則として給料だけは出金が可能です。給料は生活の根源なので、代位弁済予定でも依頼があれば銀行は出金に応じなくてはいけません。
ただし出金できる日時などは銀行から指定され、普段のように簡単な引き出しはできません。窓口が営業している時間に本人が来店して、銀行員の指示に従わなくてはいけません。銀行は給料以上の出金をさせないので、出金したらすぐに口座は再び凍結されてしまいます。
ちなみに、給料が振り込まれたことを銀行が知っていたとしても、あくまで顧客からの依頼がなければ出金の対応はしません。ですから黙っていれば(あるいは忘れていて)相殺によってカードローン返済に充当されてしまいます。

・代位弁済のプロセスその3.代位弁済の実行とその後の処理

代位弁済の実行とは事務処理のことです。代位弁済が決まり預金凍結も済んでしまうと、代位弁済の当日まで銀行や保証会社からは本人に連絡する必要もありません。また当日本人が来店する必要もありません。
そして代位弁済が終わると、そのことを通知する文書を郵送します。

・代位弁済の実行

代位弁済当日の事務処理は以下の通りです。
   <代位弁済当日の事務処理>

  1. 保証会社から資金(代位弁済金)が銀行に振り込まれる
  2. カードローン融資金を完済して、利息と損害金も精算する
  3. 預金があれば相殺(強制解約して完済に充当する)
  4. 個人信用情報に代位弁済が「異動」として登録される(※「延滞」も登録済み)
    保証会社から振り込まれる資金は、事前に計算したピッタリの金額です。過不足がないよう銀行・保証会社双方で確認していますので、あとで資金が足りないとか、資金が余るといったことはありません(※もちろん顧客口座に、余りが振り込まれるなど絶対にありません)。

・預金相殺通知の郵送

預金を相殺した場合は、必ずその日のうちに相殺したことを通知する文書を内容証明で郵送しなければなりません。これは銀行業務として決められているルールです。
翌日以降に持ち越すことは許されませんので、夜間でも受け付けてくれる、大きな郵便局に持っていくことも良くあります。私も、地域の本局に窓口終了間際に持ち込んだことが何度もあります。夜の郵便窓口には背広の人間が多く見かけられますが、結構銀行員や金融関係者だったりします。
余談ですが、預金相殺の通知書には「預金口座は使用できなくなりましたので、通帳・カードはすみやかに銀行にご持参ください」と書いてあります。
持参しろとは、あくまで決まり事なのでそう書いてあるだけで、銀行は持参するように催促したりはしません。顧客のほうも、わざわざ持参する人はいません。持参してもしなくても、何も変わりはありません。
しかし、ごくたまにですが銀行に持参される場合があります。代弁になった人の親御さんが通知書を見てしまい、書いてあるとおりにわざわざ持ってこられた、といったケースです。実際私は何度もこのケースで通帳を受け取りました)

まとめ~代位弁済は大変、でもそのあとはもっと大変!

ここまで説明してきたことは、カードローンの代位弁済まで、実際におこなわれるスケジュールです。参考にしていただきたいとは思いますが、できれば実体験はしないようにとの思いも込め、あくまで銀行員からの教訓としていただければと思います。
代位弁済になるまでに、延滞と代位弁済は個人信用情報では異動として最低5年間は記録が残ります。記録が残っているあいだ、住宅ローンや自動車ローン、カードローンは言うに及ばずクレジットカードも、そして自営業者や会社の社長なら事業資金融資に至るまで、金融機関で借入することはまずムリでしょう。サイトでは「5年たったら大丈夫です!」などと表現しているものもありますが、銀行系カードローンでは、代位弁済になった記録は銀行内部で半永久的に残りますので、その銀行で借り入れすることも半永久的に不可能となります。また、説明したように勤務先に代位弁済が知られてしまえば、仕事や収入にも影響してくるかも知れません。
代位弁済は大変ですが、あとのほうがもっと大変だということをぜひ覚えておいてください。


















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